需要の多い行政書士業務の分野

新人行政書士事務所の開業・運営・営業・実務マニュアル

行政書士の業務範囲は多岐にわたります。

弁護士であれば訴訟や法律相談、司法書士ならば登記関係の業務、税理士ならば税務関係の業務など、具体的な業務範囲があります。

しかし、行政書士の場合はこれら他士業とは異なり、具体的に何をやるのかが決まっておらず、業務範囲も定まっていません。

一方で、他士業のように業務範囲が定まっていない分、アイデア次第で様々なビジネスチャンスが作り出せるとも言えます。

ただ、どれだけ良いアイデアが浮かんだとしても、それが社会に必要とされていなければ意味がありません。

では、行政書士業務として需要の多い分野とは、どのようなものがあるのでしょうか。

スポンサーリンク

行政書士業務で需要の多い分野とは

行政書士の業務で需要の多い代表的な分野は、主に以下のようなものがあります。

建設・産廃分野

建設・産廃分野は、行政書士の代表的な業務です。また、需要も多いため、人気の分野となっています。行政書士といえばこの分野を思い浮かべる人も多いです。

ただし、その分参入者も非常に多いため、競争はとても熾烈です。

具体的には、建設業許可や産業廃物処理許可の申請などといった業務になります。

建設業許可申請の人気が高い理由は?
行政書士の仕事は非常に幅広いですが、最も多くの行政書士が手掛けている業務が、『建設業許可申請業務』です。 建設業許可申請業務とは、建設業法に定められた土木、建築、大工、左官などの28分野の業務で、一定以上の規模で事業を行う場合に必要となる建設業許可の申請業務です。 なぜ建設業許可申請業務が人気なのかというと、おおむね以下のような理由があります。

運輸・交通分野

道路使用許可、道路占用許可の申請、車庫証明、運転代行業認定申請、貨物運送事業許可の申請などといった業務です。

この分野も参入者が多い人気分野です。

外国人在留資格分野

ビザ申請などの入管業務などが代表的な仕事です。なお、この業務に関しては、申請取次行政書士という資格が別途必要です(所定の研修を受けて取得します)。

外国人在留資格分野は、今後も社会の必要性が高い分野といえます。

会社法分野

法人設立手続き、株式会社への移行手続き、許認可が必要な事業の許認可申請、定款の作成などが代表的な業務です。

設立から手掛けることで、その後の業務にもつながってくる分野であり、新人でも比較的参入しやすい分野とも言えます。

風俗営業分野

風俗営業許可、飲食店営業許可、深夜酒類提供飲食営業許可、無店舗型性風俗特殊営業届出などが代表的な業務になります。

この分野は書類の提出先が主に警察署ということで、他の業務分野とは異なるスキルや知識が要求される分野です。

行政書士の実務~風俗営業許可業務について
行政書士の主要業務として有名なものの一つに、風俗営業許可申請があります。 なお、ここでいう風俗営業というのは、キャバレーやバー、スナック、パチンコ店、ゲームセンターなどのことで、いわゆる性風俗ではありません。 風俗営業許可は行政書士の主要業務として紹介されることも多いのですが、現実的にはノウハウのない新人行政書士がいきなり参入するのは少し難しいといえる分野です。

法務・会計分野

会計記帳、決算書、議事録、各種文書の作成、事業所税、不動産取得税の申告などが代表的な業務です。

この分野は幅広い知識や経験が必要とされるため、難易度が高く、新人行政書士にとってはハードルが高めかもしれません。

しかし、需要はとても多く、こうした分野の知識や経験がある人にとっては新規参入しやすいといえます。

遺言・相続分野

遺言書原案作成、遺産分割協議書の作成、遺留分減殺請求、遺言執行、これらに関する相談業務などが代表的な業務です。

この分野は他士業とも競合するうえ、銀行・信託銀行などとも競合する分野です。

民法や関連する法律などの知識が必要であり、仕事を獲得する上では他士業との差別化も必要です。

相続・遺言書分野の実務について
行政書士として仕事をしていると、許認可分野などを中心に仕事をしている人であっても、相続や遺言書についての相談というのは一度や二度はあるものです。 相続や遺言といった分野を専門にしている事務所もあるくらいなので、この超高齢化社会の折、需要はとても高い分野と言えます。 そこで、相続や遺言の分野についての実務のポイントをまとめてみます。

業務分野は大まかな区分けにすぎません

これらの業務分野は、あくまでも大まかな区分けであり、それぞれが独立した業務でもありません。これらは行政書士業務のほんの一部にしか過ぎませんし、それぞれの業務が複合的に関連してくる案件もあります。

複数の分野を組み合わせることで、行政書士ならではのサービスを提供できる可能性もあります。

行政書士としては、需要の多い分野をよく研究しつつ、メイン業務として専門化・差別化を図ることが求められるでしょう。