今では行政書士に限らず、他士業の方のブログを目にすることも多いと思います。
士業のブログの中には実務や専門知識に関するものから、日々の日常をつづっているものなど、本当に様々な内容のブログが存在します。
もっとも今ではFacebookやTwitterをはじめとするSNSで情報発信したりホームページに誘導する手段もありますので、一時期ほどは少なくなったかもしれません。
それでも長文を書きにくい(書けない)SNSとは異なり、文字数などにとらわれることなく自由に表現できるブログならではのメリットというのもあると思います。
ではこれから行政書士として開業する、あるいは開業間もない方にとって、ブログという情報発信手段は、業務の獲得という点において有効に働くものなのでしょうか。
新人行政書士には少しハードルが高い?
世の中にはブログを書いている士業の方が、それこそ星の数ほどいます。
そうした状況の中でブログを営業・集客ツールとして有効活用したいのであれば、工夫と明確な目的意識をもって取り組んでいく必要があります。
専門性を打ち出した上でターゲット層を明確に定め、常に読む人に役立つ情報を戦略的に発信して差別化しなければなりません。
ただ開業間もなく実務経験も乏しい新人行政書士にとって、これは結構ハードルが高いのではないでしょうか。
更新頻度もメンテナンスも重要となる
しかもブログは更新頻度というのも重要です。
集客に効果的かもしれないと何となくブログを始めてみたものの、なかなかアクセスを集められずに途中で挫折してしまい、更新が長年止まっているようなブログも実際に数多くあります。
法改正や制度が変わっているにもかかわらずそのまま放置、というのでは、逆に信頼を損なってしまうことにもなりかねません。過去記事のメンテナンスは常に必要です。
ブログも検索エンジンにインデックスされますし、更新頻度(過去記事の修正も含めて)の高いブログは検索エンジン対策としても有効に働きます。
もしどうしてもブログを営業・集客ツールとして活用したいのであれば、こうした点を十分に検討した上で始めるべきです。
日々の日常をつづるブログならどうか?
では行政書士の業務に関することではなく、日々の日常、例えば『〇〇に行ってきました』『〇〇を食べました』といった内容ではどうでしょう。
確かにこうしたスタンスのブログであれば更新しやすいかもしれませんし、自分の人柄や親しみやすさを伝える効果はあるかもしれません。
しかしブログを営業・集客ツールとして考えるとなると、このような内容のブログでは効果がほとんどない、と言わざるを得ません。
もし自分が業務を依頼する側の立場で考えればすぐに分かることです。
こうした日記的な内容のブログを書いている人よりも、やはり専門的で役立つ情報を発信している人に依頼を考えるでしょう。
検索エンジン対策としても意味がない
また近年の検索エンジンは日々進化してきています。
記事の内容も評価対象になってきていますから、そういう意味でもやはり業務とかけ離れている内容のコンテンツでは、Webマーケティング的にもあまり意味がないと言えるでしょう。
どうしても日記的な内容を書きたいのであれば、それこそSNSを使えばいいのです。
SNSは営業的なものよりも、その日あった出来事や写真などを投稿することで、その人がどういう人柄なのかといったことを伝える効果はあります。
また上手に活用することで意外な人脈ができることもあるので、うまく使い分けて活用してみましょう。
ビジネスで無料のブログサービスは基本的に使わない
単にブログを始めるというのであれば、無料のブログサービスはたくさんありますので簡単に開設できます。
無料ブログサービスのメリットとしては、まず読者を増やしやすい様々な仕組みがあらかじめ用意されている点があげられます。
ただし無料ブログサービスの中には、原則として商用利用を禁止しているものが多数あります。つまり、営利目的の内容はNGということになります。
例えば利用者数も多く読者を増やしやすい仕組みが充実している『アメブロ』といった無料ブログサービスも、基本的に商用利用が規約で禁止されています。
せっかく苦労して内容を充実させ、読者数を増やしてきたブログであっても、運営側のさじ加減ひとつで突然削除されてしまう、という憂き目に遭ってしまった例も数多くあります。
一時期は、『アメブロで集客』的な内容の書籍やWebサイトも多かったのですが(今でもあるのかな?)、少なくともビジネス目的で無料ブログサービスを利用するのは避けましょう。
もしビジネスで本格的にブログを活用して営業・集客を目指すのであれば、商用利用などの制約が一切ない自前のブログシステムを構築して運用することをお勧めします。
自前でブログシステムを構築する方法は?
最もポピュラーな方法としては、まず独自ドメインを取得した上でレンタルサーバーと契約し、WordPressといったシステムをインストールして運用していくことです。
このあたりの具体的な方法などは書籍やウェブサイトに情報が多いので割愛しますが、ホームページの作成と基本的には同様です。
WordPressは、いわゆるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)ですが、基本的にはブログを構築するためのシステムです。
WordPressであればホームページ内にブログを組み込むといったことも比較的容易です。
これから本格的に事務所のホームページやブログを構築したい、という方はWordpressでの運用をお勧めします。
そして当然のことながら、自前でブログシステムを構築すれば、無料ブログサービスのように商用利用禁止などといった制約はありませんので、自由に運用することができます。
結局、そもそもブログは必要なの?
これまで色々とブログについて説明してたところで何ですが、ブログを書くことが営業・集客において必須なのかというと、はっきり言ってそういうわけでもありません。
なぜなら営業や集客の方法というのは、何もブログだけとは限らないですし、ブログを書いていなくても集客できている事務所はたくさんあるからです。
専門知識が豊富で更新頻度が保てる、という自信のある方は積極的に活用すればよいですし、そうでなければ違う営業・集客方法を検討すればよいだけの話です。
またある程度の実務経験を積んでノウハウを得てから本格的に運用してみる、ということもできるでしょう。
ブログを集客の導線にしたい方は積極活用
ホームページやブログで営業・集客するというのは、決して簡単なことではありません(リスティングなどの広告費を最初からガッツリ投入できれば別です)。
ある程度の時間と労力、知識が必要となります。
しかし顧客を得るための入口は多いに越したことはありません。
また、良質なコンテンツはお金を生み出す事務所の資産にもなります。
また上手に活用することで強力な集客ツールにもなり得るものです。
もしブログを営業・集客のツールとして活用したいのであれば、自分の専門としたい業務との相性なども考慮した上で、マーケティングツールとして有効なのかどうかをよく検討してみましょう。