行政書士はまず存在を知ってもらうこと~ポスティングチラシ編

新人行政書士事務所の開業・運営・営業・実務マニュアル 行政書士の営業・集客

広告にも様々な種類がありますが、その選択肢のひとつとしてポスティングチラシといった方法もあります。

ポスティングチラシは文字通り、一般家庭のポストなどに自分の事務所の広告を配っていく、というものです。

多くの方は自宅や職場などでも、要不要はともかく、よく目にするものですね。

では、このポスティングチラシというのは、士業である行政書士の営業方法として有効に使えるものなのでしょうか。

対象業務の顧客属性を考慮する

まず、ポスティングチラシについては否定的な意見もありますが、私の経験上、ポスティングチラシは開業当初の広告ツールとして有効に使えると考えています。

ポスティングチラシを配るには、チラシを自分で作成、印刷して配る方法と、デザインから印刷、配布までポスティング業者に丸投げで依頼する方法があります。

どちらを選択してもよいのですが、ポスティング業者に依頼するとなると当然それなりのコストがかかります。

また、ポスティング業者はエリア内のポストにくまなくチラシを配ってくれますが、チラシを見てほしい対象世帯を選んで配る、といったことは基本的に行いません。

さらに、他の会社やお店などの広告と束で配られることが多いので、私の経験上、単独の配布よりどうしても反応率は落ちます。

自分の足で属性を判断し反応を探る

ですから開業当初は、まず自らの足でチラシを配布してみましょう。必要となるのは広告の作成費用、印刷代と時間コストだけです。

ただし、ポスティングは自分の扱う業務内容や、顧客にしたいターゲットをよく定めていないと、十分な反応を得るのは難しいです。

例えば、相続や遺言といった業務内容のチラシをまく際に、ワンルームマンションなど比較的若年層が住むような単身世帯にポスティングしても、あまり反応は期待できないでしょう。

また、会社設立や各種許認可などの業務内容の広告を、一般家庭のポストに入れても反応はあまり期待できません。

こういった業務内容の広告は、対象を絞ったダイレクトメール(DM)の方が向いていると言えます。

業務内容を一点に絞って広告を作成する

広告を作成する際、行政書士の業務を羅列するよりも、業務内容を一点に絞って作成した方が反応はとれます。

とにかく何でもやります、といった広告よりも、業務内容を一点に絞って専門化した広告の方が、結果としてターゲットの目に止まりやすいのです。

限られた広告スペースを有効に使うためにも、業務内容は一点に絞って作成しましょう。

なお、自分の経験上分かると思いますが、ポスティングチラシというのは、ほぼ99パーセント以上は読まれずにゴミ箱へ直行してしまいます。

つまり、対象となりうる1パーセントくらいの人(これでも多めに見積もってますが)に見てもらう性質の広告手法なので、ある程度まとまった部数をまく必要があります。

十分な反応を得るためには、少なくとも1万部以上は配りたいところです。

反応が出るかどうかはチラシの出来とエリア属性次第

ポスティングチラシで反応をとるには、やはりチラシの見栄えというのも重要となります。

複数のデザインで作成したチラシをそれぞれまいてみて、一番反応のよかったものを採用するという方法もよいでしょう。

チラシのデザインや構成というのはどうしてもセンスや経験が必要な部分なので、コストや時間が許す限り、トライアンドエラーを繰り返しながら行ってみてください。

WordやExcelでもスキルがあれば見栄えの良い広告が作成できますが、もしIllustratorなどが使える方は、かなり立派な広告が作れると思います。

また、配布するエリア内に対象ターゲットが少ない場合も、当然ながら十分な反応を得ることができません。

ある程度自分でチラシをまいていると、家の外観や様子などで属性が大体分かるようになります。

例えば、小さな自転車が置いてあったりすれば、子供がいる比較的若い世代の家であると判断することができるでしょう。

また、古い家で盆栽などが置いてあれば、高齢者がいる可能性が高い世帯であるなどと判断できます。

チラシのデザインやエリア属性を総合的に考慮しながら、自分の業務において反応がとれるチラシを制作、配布してみましょう。

ポスティングチラシの反応は意外によかった

私自身は、開業してすぐに朝の4時からポスティングをし、夜遅くまで実務知識を得るための自己研鑽、という毎日をしばらく送っていました。

これが意外に反応がよく、集客までは一応順調にできたのです。そこで、思い切って配布を外注に切り替えました。

私が外注していたポスティング会社はオプション料金を支払うと、チラシを単独配布してくれるといったものがあり、それを利用して配布してもらってましたね。

ポスティングチラシはクレームも覚悟で

外注してもポスティングチラシからの反応は結構あったのですが、時々クレームが入ることもありました。

外注すると、とにかく無差別にポストへ入れていくので、中には『チラシ投函お断り』などと書いてあるところにも配布されてしまい、結構なお叱りを受けたこともあります。

また、同業者や他士業からのクレームも多かったですね。外注すると事務所のポストにも配布されてしまいますので。

ただ、コストが莫大にかかるというわけではありません。クレームも覚悟のうえであれば、新人行政書士の開業当初の集客手段としては費用対効果が十分期待できるのではないでしょうか。

集客できても仕事にならないと意味がありません

もっとも、いくらチラシで集客できたとしても、肝心の実務知識が乏しかったり、見込み客への対応が悪ければ当然なかなか仕事になりません。

私の場合、集客するまではかなり順調だったのですが、実際に業務を受注できたのは開業から3か月も経ってからのことでした。

見込み客を事務所まで誘導することができても、顧客にすることがなかなかできなかったのです。これは顧客対応スキルが足りなかったことが一番大きな原因です。

当時はひたすら集客して実務知識の自己研鑽さえやっていれば仕事になると思ってましたから。

集客という点だけに絞れば、ポスティングチラシの配布は一定の効果はあったのですが、集客しても肝心の顧客対応スキル、クロージングするまでのプロセスに問題があったのです。

今思えば、とにかく数をこなすのに躍起になっていたこともあり、かなり雑な対応をしていたな、と反省しています。

行政書士はサービス業であるという感覚が、完全に欠落していたのですね。

アナログ集客のコツをつかめたことは収穫

ただ、アナログ集客のコツというか、どのようにすれば反応がとれるのか、などといったことを経験から学べたのはかなり大きかったと思います。他の広告媒体への応用もできますし。

もしポスティングチラシを集客に活用するのであれば、顧客対応や実務知識の自己研鑽も怠らず、費用対効果をみながら行っていきましょう。

扱う業務内容にもよりますが、意外と効果は期待できると思いますよ。