開業当初の行政書士には当然実績がありませんし、その実績がなければなかなか信用を得ることもできません。
たとえ行政書士という国家資格の肩書だけで開業し、最初から無条件に信用されて仕事が舞い込むことは、可能性はゼロではありませんがほぼ期待できません。
ではどのようにまず『最初の1件』の顧客を獲得して、行政書士として信用を得られるまでになれるのでしょうか。
最も可能性の高い方法としては、自分のあらゆる人脈をフル活用し、まずそうした人たちからの紹介を得る活動をすることです。
友人や知人からの紹介という手段であれば、たとえ行政書士として何も実績がなくても、まずは仮の信用を得ることができるからです。
開業当初はなりふり構わず他力をとことん利用する
もし、自分が行政書士に何らかの仕事を依頼する立場になったとき、どこの誰なのか分からない行政書士よりも、友人や知人から紹介された行政書士の方が安心して業務を依頼できるはずです。
それは、紹介した人に対しての信用が、そのまま紹介された行政書士への信用につながってくるからです。
あの人から紹介されたのなら安心できるな、という仮の信用が得られるのです。
今ある自分の人脈をフル活用する
最初はとにかく、自分の友人や知人はもちろん、前職の人脈などを、なりふり構わずフルに活用します。
そういった人たちに開業の挨拶状を出したり、人の集まる場に出向き、友人や知人などで顧客になりそうな人たちに対して自分の存在をアピールしていくのです。
普通に社会生活を営んでいる人であれば、そうした友人や知人といった人は一人や二人くらい必ずいるはずです。
新人行政書士としてスタートダッシュを決めるには、いかに早く最初の業務を受注して、経験や信用を得られるかが勝負です。
まずは知り合いから声をかけ、他力でもなんでも使えるコネはとことん使った方が確実に仕事へ結びついていきます。
また、最初の仕事で信用を得られれば実績にもなり、次の業務を依頼されたり、そこから他の人を紹介してもらえる可能性もあります。
闇雲に飛び込み営業などを行うよりも、何倍も効率的な営業活動ができるのです。
あくまでも仮の信用であることを忘れない
ただし友人や知人を介して得た信用というのは、あくまでも仮の信用です。その点は十分肝に銘じておかなければなりません。
他力で得られた仮の信用というのは、自分への直接的な信用ではなく、紹介者である友人や知人に対しての信用なのです。
せっかく紹介で仕事を得られても、そこでいい加減な対応をしてしまったりすれば、自分への評価はもちろんのこと、紹介してくれた人の評価や信用も下げることになってしまいます。
このような対応をしているようでは今後、行政書士として仕事をしていくことは難しいと言わざるを得ません。他の商売でもまた然りです。
自己研鑽は絶対に怠らない~実務上で他力に頼るのは最後の手段
開業当初は十分に時間もあるはずですから、業務内容について詳しく調べたり、必要であれば先輩行政書士に質問したりもできます。
実務知識をある程度得たうえで、役所などに直接出向いて質問することもできるでしょう。
ただしくれぐれも手引きなどにしっかり書かれている基本的な内容を質問するといった、プロとして恥ずかしいことはしないようにしましょう。
その後から役所の担当者にナメられ、しばらく恥ずかしい思いをすることになります(役所の担当者というのはすぐ移動してしまいますので、一時的なものではありますが)。
手引きや関連書籍、法律知識のインプット作業などといったことは、専門職としては当たり前にやるべきことです。
こうした自己研鑽をしっかりと行ったうえで他力を使ってください。
最初の仕事はとにかく全力であたること
そして友人や知人への信用はもちろん、自分への信用を失墜させないよう、最初の1件はとにかく全力で業務にあたることです。
報酬をもらって仕事をする以上は、ベテランも新人もまったく関係ありません。
最初の1件の信用や実績が必ず次にもつながっていきます。まずは0を1にすることに全力を傾けていきましょう。
0を1にしてノウハウを得られれば、そこから10、20にしていくことはそれほど難しいことではなくなるのです。
仮の信用を本物の信用にできるかどうかは、自分の仕事ぶりにかかっていますよ。