行政書士が顧客に言ってはならないこと~自分の身は自分で守る

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行政書士に限らずですが、ホームページなどの広告媒体で『絶対』『必ず』といったニュアンスのうたい文句を掲げて集客しているケースを時々見聞きします。

顧客への営業時や相談業務の中でも、こうしたニュアンスの言葉を使ってでも何とか受注につなげたい、という方も中にはいます。

確かに、例えば行政書士の主力業務である各種の許認可申請業務では、役所が求めている要件さえきちんと揃っていれば、『おそらく』許認可は下りるでしょう。

しかし、行政書士の仕事においては、この『絶対』『必ず』は禁句と言っていいものです。

どの業務も『100パーセント大丈夫』はない

顧客としては、プロである行政書士から『絶対』『必ず』といった言葉を聞けば、安心できることは間違いないでしょう。何しろ行政書士は許認可申請に関するプロなのですから。

しかし、許認可申請業務に限らず、行政書士業務全般においては、100パーセント確実に良い結果が出るとは限りません。それどころか、書類の受理さえされないこともあるのです。

許認可申請業務で言えば、たとえ役所に事前相談に行き、そこでこれなら許認可が下りる、というお墨付きをもらったとしましょう。

しかし、役人も人間ですから、間違いや見落としがあるかもしれません。また、担当者になって間もない役人で、書類のチェックが不慣れだったりするかもしれません。

そこで自信をもって顧客に対し、これで絶対に大丈夫、必ず通ります、といったことを伝えてしまったとします。

そして、いざ申請書類を提出して役人が改めてチェックしてみたら、要件が足りないなどの理由で不許可、となるとどうなるでしょう。

間違いなく顧客からの信頼は失われてしまいます。

さらに、顧客が許認可が取れると見越して営業開始日を決めていたような場合、最悪のケースでは、行政書士が多額の損害賠償責任を負ってしまうことにもなりかねません。

業務の中ではよくあることと心得ておく

これは実際によくある話で、役所に事前相談に行って役人に書類を確認してもらったにもかかわらず、いざ書類を提出する段階で突き返される、というケースは少なからずあります。

特に、役人の裁量で許可・不許可が決まるようなものについては、担当者や責任者が変わったりすると扱いも変わることがあるので要注意、ということはよく心得ておきましょう。

つまり、最終的に許認可が下りるかどうかは役人が決めることであり、行政書士が100パーセント大丈夫と判断できるものではない、ということです。

プロであるからこそ、このようなことを考慮しながら仕事をしていくことが求められます。

顧客にはリスクを含めて説明すること

そうした点を考えれば、広告や営業、相談などの段階で『絶対』『必ず』という言葉を使って業務を受注するのは論外、と言っていいでしょう。

前述の通り、許認可が下りるかどうかを判断するのはあくまでも役所ですし、法務分野の業務でも、相手がこちらの思い通りに動いてくれるとは限りません。

こうしたリスク、可能性については、事前の相談段階で必ず顧客によく伝えておくことが重要であり、自らの身を守ることにもなります。

ある程度経験を積んでくると、このようなリスクがあることを前提に、うまく仕事ができるようになるものなのですが、まだ経験の浅い新人行政書士の方は十分に注意しましょう。

繰り返しになりますが、自分の身は自分で守るしかありませんので。

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