内容証明郵便の仕事はメイン業務にできる?~単価と件数で考慮

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行政書士のポピュラーな業務の中に、『内容証明郵便』の作成というものがあります。

内容証明郵便は、行政書士法で規定されている権利義務または事実証明に関する書類として、行政書士が業として作成することができます。

内容証明郵便の作成は結構需要が高いので、新人行政書士の中にも、すでに依頼を受けて作成したことがあるという方がいるかもしれません。

では、この内容証明郵便の作成というのは、新人行政書士がメイン業務として特化していくことができるのかどうかを考察してみたいと思います。

行政書士の月商は単価と件数で決まる

まず、内容証明郵便の作成については、事務所により異なりますが、単価はおおむね8千円から2万円ほどといったところでしょうか。

もし、内容証明郵便作成の単価を2万円として、50万円の売上を出そうと考えたとすると、単純計算で月に25件の依頼が必要となります。

内容証明郵便の作成業務に特化するのは経営面でも厳しい?

ただし、内容証明郵便作成にも様々なものがあります。例えば、クーリングオフの通知などといった、いわば定型文で済んでしまうような仕事であれば、とても2万円はとれないでしょう。

そうなってくると、少なくとも月に30から50件ほどは受注しないと難しいといえます。

一応事務所経営は成り立つとは思いますが、事業として考えると月商50万円というのはかなり物足りない数字です。経費を抜いたら利益はほとんど出ないかもしれません。

200件、300件受注できれば話は別ですが、このくらいの件数になってくると、どうしてもマンパワーが必要となります。一人行政書士ではまず業務をさばききれません。

こうした点を踏まえて考えると、内容証明郵便の作成をメイン業務として考えるのは、あまりお勧めできないかな、ということになります。他にもキャッシュポイントが必要でしょう。

顧客満足度という点も懸念材料になる?

内容証明郵便というのは単なる特殊な郵便物に過ぎませんので、法的拘束力はありません。

ですから、内容証明郵便で通知したからといって、必ずしも相手方が依頼者の思惑通りに動いてくれるとは限らない、ということがあります。

当然、そういった可能性やリスクというものも、事前に顧客へ十分説明して伝えておかなければなりません。ここを怠ると顧客とのトラブルが生じる原因にもなりかねませんので注意が必要です。

許認可申請といった仕事は、要件さえきちんと揃っていればほぼ結果が出る仕事です。つまり、顧客満足度をあげやすい仕事でもあります。

そういった意味で、内容証明郵便の作成をメイン業務にするというのは、顧客満足度をあげることが難しい仕事と言わざるを得ないでしょう。

内容証明郵便の作成は付随業務として考えるのが得策?

以上のような点を踏まえると、内容証明郵便作成に特化して業務を行っていくのは、あまり得策とは言えないかもしれません。これはあくまでも個人的見解ですが。

私自身は、スポットで業務を受けることも時々ありますが、何らかの業務の中で必要があれば出すといった、いわば『ついでの業務』という位置づけです。

ですから、売上にもほとんど貢献していません。

業務単価やアフターフォローといった労力まで考慮すると、それほど割のよい仕事とはいえませんので。

WEBとの相性はよい業務ではありますが

ただ、内容証明郵便の作成はWEB集客との相性がよい業務ではあります。

もっとも、すでにWEB上でも飽和状態となっている分野なので、広告の費用対効果、売上面を考慮すると、やはりちょっと厳しいかなというのが正直なところです。

ダンピング合戦も激しいですね。5千円とか3千円で受けている事務所もあるようです。それで利益がしっかり出てるのかは分かりませんが、まず間違いなく仕事は雑です。

アフターフォローも満足にできていない(できない)でしょう。

おそらく電子でちゃちゃっとテンプレートでも使って処理してるのでしょうが、もし私が顧客の立場だったら、安すぎて心配なので絶対にそんな事務所には依頼しません。

弁護士のように業務単価が5万円、10万円というのであれば話は別です。

しかし、行政書士がこの分野をメイン業務とするのであれば、高単価で受注できるようなニッチ分野を見つけて勝負せざるを得ないと思います。

メイン業務にできるかどうかは個人的な見解です

なお、繰り返しになりますが、これはあくまでも私の個人的見解です。

業務内容、記載する内容によって報酬額を調整といった工夫をすれば(それでもある程度の受注数は必要となりますが)、メイン業務として特化することも可能かもしれません。

内容証明郵便作成に特化して儲けている方もいるかもしれませんので(私は内容証明郵便作成一本で儲けている方を知りませんが)、そこはご自身の経営判断で。