こんな業務依頼には要注意~怪しい仕事をしっかり見極める

新人行政書士事務所の開業・運営・営業・実務マニュアル 行政書士の実務

『必要な書類はこちらで作成してますので、先生には申請だけお願いしたい』といった内容の問い合わせが時々入ることがあります。

こうした依頼があった場合は、まず怪しいと考えて間違いありません。

同業者からのお願いであれば問題はないかもしれませんが、もし一般の問い合わせでこのような依頼があったら断るのが無難です。

仮に高額な報酬を提示されても、です(これは余計に怪しいです)。

『ただ申請するだけでこんなに儲かるなら』などと安易に受けてしまうと、まず間違いなく後で後悔することになります。

そもそもなぜ行政書士に依頼してくるのかという疑問

よく考えてみてください。そもそも、書類作成までしていて申請だけを依頼してくるというのは、どう考えても怪しいと思いませんか?

自分で書類作成ができているのであれば、それを申請先に自分で相談するなり提出すればいいだけの簡単な話です。

それをわざわざ行政書士に依頼してくるというのは、自分では申請ができない何らかの理由があるか、虚偽の内容で申請しようとしているか、いずれにしても疑問に思わなければいけません。

行政書士が持ってきた書類なら怪しまれない、虚偽でも申請が通りやすいかも、などと考えている可能性が非常に高いからです。

後で問題が起きたら当然責任も問われます

このような依頼を受けてしまって、後に問題が発覚したとしても『いやいや、ウチは申請だけ依頼されただけで内容なんて知りませんよ』なんて言い訳はまず通らないでしょう。

申請代理を業として請け負っている以上、それなりに責任は問われることになります。

仮にそうした主張が通ったとしても、『あの行政書士がもってくるのは要注意』などといったレッテルを貼られることにもなりかねません。

そういった問題に巻き込まれて、役所の『ブラックリスト』に入れられてしまった同業者も実際にいますからね。

それくらいで済むならまだマシですが、これは特に悪質だと認定されてしまえば、最悪の場合、懲戒や刑事事件にも発展していく可能性もあります。

それくらい行政書士の職責というのは重いものだということを、しっかり自覚しておきましょう。

申請の中身も知らないような仕事をするのはプロとして失格

行政書士が仕事をするうえで基本となるのは、まず顧客からしっかりとヒアリングをして、申請要件を確認し、不備のない書類を作成して提出することです。

もちろん、依頼者の身分確認など素性もきちんと確認しなければなりません。

書類の中身なんてわからない、申請者の素性もよくわからない、ただ申請を頼まれただけ、なんて仕事をしているようでは、プロとして失格といわれても仕方ありませんよね。

新人行政書士の方(に限らずですが)は、くれぐれも目先のお金のために、こんな依頼を受けないように注意しましょう。

仕事を見極めて断ることができる行政書士になりましょう

ある程度経験を積んでくれば、そうした怪しげな依頼は一発で判断できるようになります。当然、そうした依頼は即お断りです。

ただ、実務経験の浅い新人行政書士の方は、もしかすると判断に迷うことがあるかもしれません。

そして、申請だけしてほしいなどといった話は、怪しい依頼のほんの一部に過ぎません。

許認可関連だけでなく、例えば戸籍の取得だけお願いしたい、などといったことも要注意です。かなり巧妙な語り口で依頼してくる輩も少なくありませんからね。

そうした怪しい依頼を見極めるためには、まず実務知識や関連する法令を徹底的に勉強しつつ、判断に迷ったときにすぐ相談できる人脈も築いておいた方が安心でしょう。

『おいしい話には必ず裏がある』ということを肝に銘じ、くれぐれも不祥事に巻き込まれない仕事をするように心がけてください。