行政書士は開業後3年の廃業率が9割?~そんな数字は絶対にあり得ません!

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誰が何の数字を根拠に主張しているのかは知りませんが『行政書士は開業しても9割が3年以内に廃業する』なんて話をちらほら見聞きします。

この話が本当だとすると、もうすぐ開業してから15年近く経つ私は、経営の神様に選ばれた特別な存在なのでしょうかね。私の周りにはバリバリの10年、20年選手がゴロゴロいるのですが。

はっきり言ってしまいましょう。

『行政書士が開業しても9割が3年以内に廃業する』なんて話は真っ赤な大嘘です。

これは仮に何らかのデータを元にしているとしても、かなり意図的に曲解しているか誇張してますね。誰がこんなデタラメな数字を流布し始めたのかは知りませんけど。

ネタ元は士業の経営コンサル?不幸な『信者』も結構いる

ただ、これが『言い出しっぺ』なのかどうなのかはわかりませんが、ある士業向け経営コンサル会社のサイトで『3年後の廃業率9割』をかなり強調していましたね。

さらにちょっと調べてみたら、おそらくそういった情報を鵜呑みにしてしてしまい、Yahoo!知恵袋などで同様の回答をしている方もいました。

行政書士ではない方が『3年後に9割が廃業するそうです』なんて回答しているものがベストアンサーになっていて、回答者も質問者もこの説の『信者』になっているお粗末な状況です。

ちょっと冷静に考えれば9割なんて数字はまずあり得ないなんてことくらい、いくら何でも常識的に判断できそうなものですけどね。

他の様々なサイトでも、至るところでこの数字が引用?されていました。中には現役の行政書士のサイトやブログもありましたね。

これを見て本気で信じてしまう方がいると思うと、本当に気の毒としか言いようがありません。

そもそも本当に3年で9割が廃業してしまうような資格なら、行政書士なんて国家資格はとっくの昔になくなっているはずなので。

ちゃんとした現役の行政書士が実感する廃業率はどれくらいなのか?

ある現役行政書士の方が、入会者数や退会者数などの統計をきちんと分析して数字を出しているサイトがあったのですが、それによると3年以内の廃業率は『およそ2割程度』という結果です。

これは、行政書士登録すると毎月事務所に送付されてくる『日本行政』という冊子に掲載されている実際の入退会者数など公の数字で出しているものなので、ほぼ正確といえるでしょう。

ちなみに私は自分の所属する支部の役員職にも就いているので、過去3年以上前の支部会員の入退会動向などもある程度は把握しています。

きっちりと数字で出してはいないものの、少なくとも私の所属する支部の会員動向からすると、やはり同じく2割程度が妥当かなと実感はしていますね。

もしかすると、地域によって大きく差はあるかもしれませんが。

なお、この2割という数字の中には高齢で引退した方や亡くなられて登録抹消となった方、他士業との兼業者が行政書士会から退会したケースなども含まれいます。

ですから本当に『仕事がなくなって』廃業した方というのは、むしろ割合としては意外と少ないのです。

そもそも廃業率9割なんてどこから出した数字なのか

一応、廃業率9割という根拠となる公の機関が出している数字を探してはみたのですが、それらしいものはまったく見つかりませんでした。

そういった数字を出しているサイトが何を根拠に主張しているのかも、まったく記載されていないのでわかりません。

もし、士業コンサルが流布した数字だとしたら、営業目的としてかなり意図的に曲解あるいは誇張した数字でしょう。むしろ悪意さえ感じてしまいます。

現役の行政書士からすれば、もう相手にするのもバカバカしいような数字です。

これから開業を考えている方は、くれぐれもこんなあり得ない数字を真に受けないようにしましょうね。

廃業してしまう方も実際にいる~経営には成功も失敗もある

とは言え、本当に仕事がまったくとれずに3年(もっと短い方もいます)ほどで廃業してしまう方もいることは事実です。

また数字には出てきませんが、行政書士の仕事がうまくいかずサラリーマンなどに戻り、会費だけ払って行政書士登録は残しているというケースもあるでしょう。

行政書士登録したものの、肩書だけでほとんど(まったく)仕事をしない方もいます(特にいわゆる6号登録と言われる公務員OBなど無試験登録組に多い)。

これも『事実上の廃業状態』として考慮するのであれば、廃業率の数字はもう少し上がるとは思います。

経営ができなければ廃業せざるを得ないのはどの業界も一緒

行政書士という国家資格者であっても、その資格に依存した思考のままでは経営者として事業を続けていくことはできません。

これは行政書士に限らずどの業界でも同じことです。そこも十分に考慮したうえで、しっかりと経営者思考をもって開業を目指してください。

私の個人的な経験則ではありますが、行政書士という仕事はよほど間違った方向性で動くようなことがなければ、まず廃業などといった憂き目に遭うことはない商売だと思っています。

ただし、たとえ国家資格者であっても経営の存続に絶対はありません。実務能力がいくら高かったとしても、経営ができなければ容赦なく市場から淘汰されていきます。

まあ、それでも開業から3年以内に9割が廃業などといった話はまずあり得ませんので、その点だけはご安心を。

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