行政書士報酬額の決め方は?~利益をしっかり出すために

新人行政書士事務所の開業・運営・営業・実務マニュアル 行政書士事務所運営・経営

行政書士に限らず、商売においては料金(報酬額)設定という点は、事務所経営を左右するほど重要なところです。

特に、行政書士の業務というのは広範囲にわたりますので、新人行政書士はここで頭を悩ませている方が多いかもしれません。

行政書士の報酬額というのは、基本的に事務所ごとに自由に決めることができます。

一応、世間相場というか、業界内の相場というものもあるのは確かです。

かつては業務の種類によって報酬額が決められていたため、その名残りで何となく決まっている、という面もあります。

では、これからの報酬額というのは、どのように定めていけばよいのでしょうか。

報酬額は一定にしない

まず、報酬額を決めるにあたっては、ついつい他の事務所が設定している料金を参考にしたくなりますが、その必要はまったくありません。

なぜなら、先にも述べた通り、行政書士の報酬額というのは、事務所ごとに自由に設定できるからです。

ですから、報酬額を一律に定めるのではなく、その業務にかかる手間や時間コストというものを勘案しながら、案件ごとに自分で決めていくことが重要になってくるのです。

多くの事務所は、報酬額を業務の種類で一定にしているのですが、これは比較的容易に終わるものと、手間や時間がかかるものを相殺して利益を出していることになります。

スーパーや百円ショップなどとは違い、行政書士はサービスを売る仕事です。案件ごとにきちんと報酬額を出して決めた方が、当然のことながら得られる利益は大きくなります。

案件ごとの報酬額の決め方

行政書士が業務を受任するにあたっては、まず顧客からのヒアリングから始まります。

そこで重要なのは、後に報酬額を決定するために利用するヒアリングシートです。

このヒアリングシートをもとにして様々な要素を検討し、見積もり額を出していきます。

どの業務分野でもヒアリングシートは重要です
どの分野の仕事でも、業務を受注し、まず行うのは顧客からのヒアリングです。 顧客からどのような内容をヒアリングしなければならないのか、といったことをしっかり記録するために使うのがヒアリングシートの役割です。 ヒアリングシートでしっかり内容を確認しておかないと、書類作成や手続きにあたって、何...

ですから、決してその場のどんぶり勘定で報酬額を顧客に伝えるのではなく、ヒアリング内容を事務所に持ち帰り、詳細な見積もり額を出すようにしましょう。

もちろん、この作業は迅速にやらなければなりません。顧客にとって、料金というのは最も気になるところですから、できる限り早く算出して伝えなければなりません。

報酬額の見積もりは迅速かつ正確に出すこと
顧客が行政書士に業務を依頼するにあたっては、やはり業務報酬額がいくらなのかという点が一番気になるところです。 すでに多くの業務を経験してきていれば、必要な業務の動きがすでに十分頭に入っているので、その場で正確な見積もりを出すことも可能だと思います。 しかし、まだ実績の少ない新人行政書士の...

この見積もり額を出すために、場合によっては業務ごとにフロー表を作成して、どれくらいの手間がかかるのか、どれくらいの時間コストが必要なのか、ということを考慮する必要もあります。

大きな仕事では業務フロー表を作成する
行政書士の業務には様々な種類がありますが、特に単価の高い、大きな仕事というのも多々あります。 価格が高い仕事ということは、それだけ手間も時間もかかるということです。 そこで重要になってくるのは、どのような流れで動けばいかに効率がよいのか、実際にどれくらいの時間コストが必要なのか、といった...

そうすることで、どのような動きをすれば効率的なのか、必要な添付書類などの取り寄せにどれくらいの手間がかかるのか、などといったことを確認することができます。

そのような作業を迅速に行い、十分に利益がとれる適正な報酬額を決めていくのです。

ホームページなどに記載する報酬額は?

ホームページを参照する顧客は、業務内容はもちろん、まずどれくらいの料金なのかという点をチェックする方が多いでしょう。

そこで、ホームページなどに記載する報酬額については、案件にもよりますが、最低額を記載したうえで、業務内容により別途見積もりをする旨を書き添えておくのがよいと思います。

例えば、『内容証明郵便の作成・・・〇〇〇円~※案件により料金は異なります』といったような記載で、あくまでも案件によって見積もりを出すことを伝えるようにしておきましょう。

決めた見積もり額は決して崩してはいけません

こうした綿密な作業を行って出した適正な見積もり額ですから、もし顧客から値切りを要求されるようなことがあっても、決して値下げしてはいけません。

そもそも、報酬額を値切ってくる顧客というのは、これから顧客としてお付き合いをしていくメリットはありませんので、きっぱりとお断りしましょう。

場合によっては、事務所経営に大きなダメージを与えてしまうことにもなりかねません。

安い報酬は安い顧客を呼び寄せる
行政書士もビジネスである以上、お金の話というのは切っても切り離せません。 そして行政書士の報酬に関していえば、顧客によっては、何としてでも料金を下げさせようとする困った人も中にはいます。 報酬額を下げるのはとても簡単なことです。しかし、安易に設定している報酬額や、きちんと見積もりを出した...

もちろん、なぜこの見積もり額になるのか、どこにどのような手間や時間がかかるのか、といった根拠をしっかりと説明できることが大前提です。

報酬額というものを軽視してしまうと、しっかり利益の出せる、経営者としての行政書士になることはできません。

もし、自分で算出した金額がどうしても気になるようなら、世間相場と大きくかけ離れていないか程度はチェックしてみてもいいでしょう。

また、いわゆる世間相場が妥当なのかどうかを、自分で算出してみてシュミレーションしてみると、報酬額を出すいい練習になるかもしれません。

新人行政書士の方には少し難しいかもしれませんが、今後のためにも、最初からしっかり利益の出せる仕事ができるように努力してみてください。