行政書士法人の概要とメリット

新人行政書士事務所の開業・運営・営業・実務マニュアル 行政書士事務所運営・経営

行政書士法人は、株式会社などとは違った士業独特の法人形態です。

行政書士法人は、基本的には合名会社と同様にみなされますので1人では設立できず、2名以上の行政書士が共同で設立し、経営にあたることが前提条件となっています。

また、仮に共同経営者の1人が亡くなってしまったような場合、6か月以内に新しい共同経営者が現れなければ、その法人は廃業しなければなりません。

行政書士法人の営業メリット

行政書士法人の登記にあたっては、資本金の定めは特にありません。

ただし、登記の際には登録免許税などがかかってきますので、設立費用は必要になります。

法人化する最大のメリットとしては、行政書士を職員として雇用することが可能となり、様々な専門分野の行政書士を集めることで、より幅広い業務に対応できるといった点です。

また、行政書士法人は支店を設けることができるようになるため、例えば、本店エリアで成功した営業ノウハウを、支店を設置するエリアでも同様に展開し、営業範囲を広げていくこともできます。

行政書士法人の税金面でのメリット

さらに、税金面でも大きなメリットがあります。

メリットは様々ありますが、例えば、行政書士法人は、生命保険を利用して退職金を準備することができます。

退職金は税務上、非常に優遇されていますので、個人事業主の所得としてもらうよりも、同じ額を退職金としてもらった方が税額がかなり少なくて済みます。

月々の保険料も、半分もしくは全額を損金扱いにすることができます。

なお、法人化すると給与に対する所得税のほかに、事業税や法人税がかかってきます。

どの時点で法人化するのが有利かは一概にはいえませんが、目安としては年間所得が1,000万円前後になるようであれば、法人化する方が有利といえるでしょう。

行政書士法人の信用面でのメリット

行政書士をはじめ士業というのは、それだけでもある程度の信用はあるのですが、法人化することで、さらに対外的な信用面という点は高まります。

顧客からの信用はもちろんですが、法人として各種の補助金などを受けることができたり、事業拡大のための融資なども受けやすくなることがあります。

ビジネスパートナー選びは慎重に

先にも述べたように、一般的な株式会社の設立などとは異なり、行政書士法人を設立するためには、2名以上の行政書士が共同で設立する必要があります。

ここで最も大事になってくるのは、共同で設立するためのビジネスパートナーとなる行政書士の人選です。法人化するということは、実務能力だけでなく、経営者としての能力も問われることになります。

個人開業という、ある意味で自由な形態とは異なり、法人ということになるとメリットだけではなく、様々な面で制約が生じてきます。

もし将来的に法人化を考えている方は、そういった面も十分に理解し、よく検討した上でビジネスパートナーの人選を行いましょう。

ちなみに、行政書士法人化したものの、ビジネスパートナーとの相性が合わなかったり、意見が対立するなどして関係を解消した、という例も時々見聞きします。

ただ、将来的には事務所を大きくして幅広く事業展開したい、という方にはメリットが大きいので、法人化に際しては慎重かつ戦略的に検討していきましょう。