売上500万円の書類作成職人か1億円の経営者か

新人行政書士事務所の開業・運営・営業・実務マニュアル 行政書士事務所運営・経営

一口に行政書士事務所といっても、その規模や仕事内容は様々です。

行政書士一人ですべての仕事をこなしている人もいれば、補助者や従業員を数多く抱えている大きな事務所、様々な士業も在籍しているような行政書士法人もあります。

自分が行政書士としてどのような仕事をしたいのか、将来的にはどのような事業展開をしていきたいのか、といった大きなビジョンを描くというのは、経営者としては大事なことです。

私は個人的に、行政書士には大きく『書類作成職人』と『組織の経営者』というように分かれていると感じています。

では、『書類作成職人』となるのか、あるいは『組織の経営者』となるのがよいのか、どちらが行政書士として正解なのかを考えてみましょう。

どちらを目指すにしても経営の力量が必要

書類作成職人であっても、大きな組織であっても、行政書士という経営者であることには変わりはありません。

しかし、人にはどうしても向き、不向きがあります。

せっかく独立開業して自由に仕事ができるようになったのだから、自分の好きな仕事についての知識や実務をとことん極めていきたい、その道のプロフェッショナルになりたい、というのがいわゆる職人気質の経営者です。

一方、いずれは事務所を大きくして経営にあたっていきたい、行政書士業務にとらわれず事業を広く展開していきたい、というのが組織の経営者思考です。

ただし、組織の経営者となるには、事務所が大きくなればなるほど、やはりビジネスのセンスであったり、経営の力量、人を動かすための力というものがどうしてもシビアに問われます。

ですから、誰もが組織の経営者として成功できるわけではありません。これは一般の会社経営でも同じことです。

もちろん、書類作成職人型を目指すにしても、経営者として仕事が獲得できなければ、当たり前のことではありますが、行政書士を続けていくことはできません。

どちらにしても、行政書士という仕事をするにあたっては、やはり基本になるのは経営の力量があるかどうかなのです。

どちらにしても実務経験は必要

書類作成職人として仕事をしてく人はもちろんですが、たとえ大きな組織の経営者を目指す人であっても、まずは実務経験というのが絶対に必要です。

なぜなら、実務の内容や流れを知らなければ、組織全体をうまく動かし、指示していくことは難しいからです。

組織が大きくなったからといっても、実務上で何らかの問題が生じたとき、最終的な責任を負うのは経営者自身です。

業務を誰かに丸投げしてトラブルが起きたときに、私はその業務には関係していなかった、業務の内容もまったく知らない、などという言い訳は、経営者という立場である以上、当然のことながら顧客には通用しません。

どちらを目指すにしても、最初は自分で経験を積んで十分な実務能力をつけ、事務所経営について目指す方向性を考えていくことになります。

結局はどちらが正解なのでしょうか

では、どちらが行政書士の目指す道として正解なのかというと、私の個人的な考え方としては、書類作成職人でも組織の経営者であっても、どちらを目指すのも正解だと思っています。

組織を動かすような経営センスがある人、利益を最大限に追求したい人は、どんどん事務所を大きくしていけばよいですし、職人として実務をとことん極めたいというのも、それはそれで立派なことです。

要は、自分自身を客観的にみて、どちらが向いているのかを考えていけばよいのです。

私自身は、個人的にはどちらかというと一芸に秀でた職人型が好みであり、向いているかなとは思っています。

しかし、経営者となった以上は、行政書士の社会的ステータスをさらに向上させるためにも、今よりも事務所を大きくして、組織としての経営者になっていくことを目指してはいます。

そして、さらに利益の出せる事務所となるために、業務の効率化や利益の向上という点は、常に考え、実践しいるところです。

その上で、経営者としての資質を磨くため、優秀な経営者との人脈形成や交流を深めながら、日々勉強に励んでいます。

これから開業を考えている方、目の前の仕事をこなすことで精一杯な新人行政書士にとっては、正直あまりピンとこない話かもしれません。

しかし、行政書士も経営者である以上、利益を出して雇用を増やす、などといったことも結果的に大きな社会貢献につながっていきます。

食えるか食えないかなんてケチくさい話ではなく、もっと大きなビジョンをもって経営に挑戦する方が増えることを切に願っています。